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安心の値段

左足首が腫れた。真っ赤に腫れて熱を帯びており、猛烈にかゆい。かれこれ3日間ほどそんな状態が続いていた。

6月の下旬にも同じようなことがあった。虫刺されのようなものが手足にできてかゆみが引かない。患部の痕も消えない。いやん、こんなんじゃお嫁に行けないよと思って皮膚科に駆け込んだら、「ブヨですよ」と言われた。海水浴で奥能登に行った時にやられたらしいのだ。憎きブヨ。処方された塗り薬でかゆみはなくなったものの、9月に突入した今もなお虫刺されの痕は完全には消えていない。

ということもあって、ブヨにしてもなんにしてもお医者さんに診てもらわないと治らないものもある。善は急げ、仕事の合間に見かけた皮膚科に飛び込んだ。
住んでいる家からも職場からも遠い、全くの初診でかかったそのクリニック。名前を呼ばれて診察室に入り医師に症状を伝えると一目見て「虫刺されですね。肌が弱いんでしょうね。薬出しておきます」。以上。たぶん、診察時間1分間くらい。金一千円也。

医師から「虫刺され」宣告を受けるために仕事の合間に待合室で20分待ち、1千円を支払った。それで私は何を手に入れたのか。安心だ。医師から「ただの虫刺されなので心配しなくていいですよ、薬でちゃんと治ります」と言ってもらうために私は医者に行ったのだ。

こういう安心に対して一体死ぬまでにいくら費やすのだろう、とふと考える。
安心は人によっていろいろと形が変わる。それは会社の経営者にとっては多額の死亡保険をかけることかもしれないし、眠れない子供にとっては温かく抱いてくれる母親かもしれない。そして、私たちは安心なくして生きることができない(たぶん)。

まとまりがなくなってしまったけれど、とりあえず今回はお金を(しかも少額の)支払えば得られる程度の安心だったということで、かゆみも一週間もすれば引くだろうし、良かった。まったく頭の中で話を広げては散らかしっぱなしにしてしまう雑な性格である。