呪文

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各紙の書評に「最近増えるディストピア系の小説」として紹介されていたけれど、ディストピアって括るには大雑把すぎるかなあ。新聞記者経験がある作者らしい、というのは先入観だったかもしれない。読み進めるうちに、こんな小説を書いた作者が憎らしくなっていくんだけど、物語の終盤では、この人が何を言わんとしているのかが、ひしひしと伝わってきた。私には、「生きるのは死ぬよりもつらいけれど、とにかく死ぬな、生きろ」と言われているように感じた。