頭に浮かんでは消えていくこと

話し相手がいない、というか人に話すほどもないことを四六時中考えていて、そういう癖だと思うんだけど、頭に浮かんでは消えていくことを身近にいる夫に全て伝えていたらフツーに考えて迷惑だし、かといって自分の頭の中だけで消化するのも難しいからいつもブログを書いている。毒にも薬にもならないブログだし、誰に宛てたものでもないし、伝えたいこととかそんなものもないのだが、ブログを書きたい気持ちはいつもあるし、ブログを書けないと苦しくなる。趣味はなんですかと聞かれて、文章を書くのが好きとかブログを書くのが好きって言っても伝わらないことが多く、別に伝わらなくてもいいのだけど、いやなんとなく伝わらないのが寂しくて趣味はと聞かれたら読書と答えるようになった。読書も趣味である。

 

このあいだ家族で「のとじま水族館」へ行った。子は水族館が好きなのだ。私の実家がある新潟は、市の中心部に水族館がありアクセスが良いのだが、金沢市民にとって一番近い水族館は能登島にある。これまで片道2時間半くらいかかると思って避けていたのだけど、「能登まで片道2時間半」というのは珠洲で行われた「奥能登国際芸術祭」の記憶によるもので、能登島までは1時間半でついた。案外近かった。水族館を堪能して、帰りに和倉温泉の総湯へ立ち寄った。娘は大浴場が苦手なので、温泉に行く際には決まって夫と私が交代で風呂に入る。夫が風呂に入るあいだ、娘と外にある足湯で時間を潰していたら地元の男の子が4、5人、足湯に浸かりながらおしゃべりしていた。「このあいだ小松のキャバ行ったときに飲みすぎてやらかした」「福井のキャバ行こうぜ」「(スマホを見せながら)この子(キャバ嬢)、かわいくない?」「〇〇先輩ってヤリマンやろ?」全員、性に目覚めたばかりって感じの初々しさがあり、年齢は18、19歳くらいだった。田舎ってこんな感じだよなあと思った。去年、帰省したときに近所を散歩していたら見つけた、ガードレールにカラースプレーで書かれた「おっぱい」「SEX」という落書きを思い出した。参院選の投票日当日のこと。

 

コロナが再拡大。第七波らしい。先週は三連休(海の日)に保育園での感染拡大に伴う休園が重なり、さらに世の中の状況を考慮して、大事をとって一日自主休園した結果、9日間の家庭保育となった。子が家にいるあいだ、公園に行ったり図書館に行ったりして毎日遊んで絆が深まったような気がした。保育園に通っていたらいたでラクだし、一緒に過ごしたら過ごしたで楽しい。

 

ヤフー知恵袋で「令和っていう元号、縁起が悪くないですか?令和に入ってから色々起こりすぎのような気がします。振り返ってみれば平成は何もなくて良い時代でした」といった質問を見つけた。それに対して「地下鉄サリン事件から始まった平成は幾度も無差別殺人事件も起こり、さらには東日本大震災福島第一原発事故もありました。必ずしも平成が平穏な時代だったとは言えないと思います」云々と回答している人がいた。検索窓に「令和 縁起悪い」と入れて調べたのは私だし、ヤフー知恵袋の質問を見つけたとき「たしかに平成はよかったな」とか思っている自分がいた。過ぎれば全部過去になっている自分に少しだけ引いた。

 

「馬人舎(うまひとしゃ)」という屋号で仕事をしている。このあいだ注文した名刺を受け取りに石引パブリックへ行ったときに、スタッフの方が「屋号、かわいいですよね」と話しかけてくれた。由来を聞かれて、尊敬する新聞記者の女性から教えてもらった「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」という言葉から取ったんです。と伝えたら「いい言葉ですね。わたし、馬が好きで、それで気になったんです」と言われてさらに嬉しかった。

 

最近よく父と映画館に行ったことを思い出す。「パイレーツオブカリビアン」も「ハリーポッター」シリーズも父と妹と三人で観た。私が子どもの頃、お父さんは仕事が忙しくてほとんど家にいなかった。母は「おむつ交換なんて0.5回しかしたことないんじゃないのかな」と笑っていた。それでも私は、父が「家にいなかった」ことよりも父と過ごした休日を思い出す。父は映画が好きで、週末は家族で近所のツタヤにいって洋画を選んでいた。夜更かしして映画を観る父に付き合い、夜遅くまでリビングで過ごした。大学二年生のとき、学内の図書館で沢木耕太郎の「深夜特急」と出会ってまんまとハマった。そのことを父に伝えると、マカオ(香港)の往復航空券をプレゼントしてくれた。マカオは「深夜特急」で沢木耕太郎が一番初めに訪れる外国だ(ったと思う)。全然伝えられていないけど、私は、本当はお父さんに感謝している。

 

夫がしばらく疲れていたのでストレスを軽減したりリラックスしたりするアイテムを勧めてみた。香りが良いキャンドルとかバスソルトとか、マッサージができるロールオンアロマとか。biopleや生活の木に連れて行くと、夫はあれこれ試しながら自分の好みに合う物を探していた。男性向けの情報雑誌を読んだことがないのだけど、男性も女性のように香りものでリラックスしたりエステで身体をケアしたりすることが普通になればいいなと思う。

 

一部で話題の「ポリタスTV」、「宗教右派自民党の関係 ジェンダーと宗教」を観た。「こうのとりのゆりかご」で有名な慈恵病院が「宗教上の理由」から人工中絶をしていないというのには驚いた。Twitterでそれに対する意見を見ていたら「ありえない」系のコメントが多くって、でも慈恵病院はHPにはっきりと「宗教上の理由から人工中絶はしていません」って書いているし(隠しているわけではない)、それこそ信仰の自由はあるわけで、慈恵病院は公立ではなく私立なわけで、私は「産婦人科なのに人工中絶しないなんてありえない」と言えないような気がした。