覚書

これまで日本は低い賃金でも安くモノを買えるから最低限の平等が確保されていたけど、非正規雇用者がこれだけ増えたいま、物価上昇に合わせて賃金を上げるだけの体力があるのが大企業に限られていたとして、例えばマクドナルドでランチ1200円、スーパー銭湯1000円みたいな世の中で賃金が上がらない側の人たちはどんどん利用できるサービスが減っていきスーパーに食料品を買いに行ったとて買えるものかほとんどなくなっていく。で、賃金が上がらない側の人は国産の代わりにブラジル産の鶏肉を買わざるを得なかったり「一生に一度のディズニーランド」になったりするのだ。アメリカじゃん。完全な格差社会の誕生。夫は教育に関わる仕事をしているが生徒が別で通っている習い事の月謝の上がり方がえげつないと言っていたそうだ。6000円から9000円から10000円みたいな。ニュースで知ったけど物価上昇で子どもの習い事を辞めさせざるを得ない家庭が増えていると。こうやってどんどん習い事も教育も限られた人たちだけに与えられるものになっていく。という話を朝から夫としていてけっこうどんよりとした気持ちになった。夫婦ともども自営業者だから、たぶんというか完全に私たちは「賃金が上がらない側」の人間だ。私たちがたくさん稼げないのって自己責任なのだろうか。努力不足なのだろうか。じゃあ「稼げる側」にシフトしたとして、取り残されてしまうサービスの利用者はいないのだろうか。会社員になればもっと稼げるよとか安定するよとかいうアドバイスもぜんぜん意味わかんない。少し前に夏葉社の島田さんがツイートしていたけれど、私は世の中に会社員だけじゃなくて自営業者(インディーズ)もたくさんいた方が豊かだと思う。思い出したついでに書くけどだれかが「人生100年時代は陰謀論」って言ってた(何で読んだんだっけ)。老後の不安を煽って現役世代のうちに稼いでおかなきゃ蓄えておかなきゃってマインドコントロールする国、まじでいい加減にしろ。

夏葉社 on Twitter: "本屋さんはいま、かつてないくらいのインディーズ時代。出版社もインディーズ。ビジネスとしては成立していないのかもしれないけど、すこぶる健全で、すこぶるたのしいです。" / Twitter