岩波ブックレット『つながりを煽られる子どもたち』

第4章 常時接続を超えて

筆者が引いた「毎日新聞」2014年2月2日付の記事より

 

「長いめしべと短いおしべ。簡単に受精できない花の形。常に好ましいわけではなく、時にうとましくわずらわしい他者。しかし「そのような『他者』によって自己の欠如を埋めてもらう」のが人間なのだ、と。/好きな相手や似た者同士で固まるのは楽だけど、それでは「自己の欠如」は埋まらない。ある時は見知らぬ誰かが私のための虹となり、ある時は私が誰かのための虹となる。/確かに私の人生、そんな他者との出会いの積み重ねだったのかも」