宝くじを買った話と3年ぶりに映画を観てきた話

夫の部屋に「5000万円!」「5億円!」と目立つように書かれたポケットティッシュが置いてあり、よく見ると「ハロウィンジャンボ」宝くじの発売を伝えるものだった。人生で初めて宝くじを買ったのは両親が離婚した高校二年生の頃(一年だったか二年だったか、いまだにうろ覚えだ)。かなり精神的につらい日々が続いていたときに、「ここまでしんどい思いをしたのだから、もし神様がいるのだったら宝くじくらい当選させてくれるだろう」と思って、バイト代でたった一枚の年末ジャンボ(300円)を買った。人生で一番つらいときに買った宝くじは当たらなくて、私は神様なんてこの世にいないのだと悟った。まあどうでもいいんだけど。で、ハロウィンジャンボ。最近ちょっと疲れていて明るい話題でも欲しいなあ、できれば金(カネ)でパーっと明るい気分に。という、それは浅はかな思いからバラで10枚買ってみました。5億円当たりますように(ハート)!

 

映画「LAMB(ラム)」。「アイスランドが舞台の、ある夫婦のもとに羊のような何かが生まれたことから始まるホラーっぽい映画」程度の情報しか知らなかったけれど、なぜか無償に惹かれて(たぶんアイスランドパワー)、早く観たい早く観たいと思い続けるのも体に毒な気がしたので、勢いで今日観てきた。ちなみに映画不毛地帯のこの石川県でこの手の映画が上映されるのはかなり不思議である。実は映画館に行くのはコロナ禍になって初めて、最後に映画館で映画を観たのはいつだろうと振り返ったらたぶん2020年春の「ミッドサマー」ぶりだった。2020年はコロナ禍に妊婦という条件が重なりただでさえ外出を控えていたことに加え、夫はパンデミックが始まって以来、感染を防ぐために映画館は避けた方が良いと考えていて、私はそんな夫に合わせて観たい映画があっても何となく我慢を続けていた。もはや映画館で映画を観るという行為自体を忘れそうになっていた矢先の、ラム公開。平日日中に、話題作とはいえメインカルチャーではなくどちらかといえばサブカルチャー寄りの映画を観る人はほとんどおらず、観客席には私を含めて7人しかいなかった。そういえば学生の頃は映画が好きで、日本でのプロモーションが始まる以前から海外の配給会社のユーチューブをチェックして気になったトレーラーを自分用の再生リストにまとめたり、一日にミニシアターをはしごして映画を観たりしていた。コロナ禍が始まってからも結構「映画館で観たい映画」があって、最初のうちはいつか観ようとリストアップしていたけれどいつからかもうやめてしまって忘れてしまったんだよね。思えばずいぶん遠くまで来てしまった。2年ぶりの映画館は涙が出るほど感動した。映画本編が始まる前、近日公開映画の予告を観ながら、私がコロナ禍を続けてるあいだにも新しい映画は続々と生まれていたというめちゃくちゃ当たり前だけどこれまで見落としていたことに気付き、もしかしてコロナ禍で色々ストップしていたのは自分だけなんじゃないかとか、その間も社会はずっと回っていて、前に進んだりもしていて、色々我慢したり立ち止まって感染対策だなんのやいのと言ったりしているのは自分だけだったんじゃないかとか、そんなことを考えてしまって少し悲しくなった。やっぱり、思えばずいぶん遠くまで来てしまった。それでも久しぶりに映画館で観る映画は楽しくて、なんと言っても愛するアイスランドの暗くて不気味な景色を大画面で観るという、それだけで心が満たされる。二時間スマホを触らずにスクリーンに集中する。予測不可能な展開をハラハラどきどき時に手で目を覆いながら眺める、それだけで楽しかった。ラムもう一回観たいな〜久しぶりの映画館が楽しかっただけかな、いやそうではないだろう。あ、ちなみにイオンのなかにある映画館に行ってきたんだけど、出入り口付近に宝くじ売り場があったので、財布に入っていた小銭で200円のスクラッチ2枚買ったら200円当たった。こういう些細な当選がポツポツあるのが私の人生である。

 

Lamb Movie Explained: Why did Maria Kill Ada's Biological Mother?