わたしは夫のことが大好きなんだけど、
解雇された日の夜に、あぁやっぱり好きだな、って思ったことがあって、忘れないうちに(忘れられないだろうけど)書いておく。
倒産・解雇を告げられた直後はやはり、少し取り乱していた。
荷物を片付けて会社を後にするとき、尊敬する上司が「旦那さんによろしく!」と声を掛けてくれたのだけど、わたしは何をトチ狂ったか、「夫は爆笑すると思います!」と元気に答えた。直接謝罪する機会をいただけるのであれば、心の底から謝りたい。このことを夫に報告したら怒られた。そりゃそうだ。
わたしはアルコールがめちゃくちゃ弱くて、生ビールだったら中ジョッキ一杯が限度、缶だったら350ミリリットルが飲み干せるか、ってくらいなんだけど、さすがにその日は帰りに近所のローソンに寄って、ロング缶を買った。ビールが多いならつまみも多くないとあかんやろ、と思って「からあげクン」のチーズとレッドもあわせて買ったんだけど、いま思うと、このセレクト自体正しく判断できていない感じがする。
20時過ぎ家に着き、夫に「大事な話がある」と切り出して解雇の旨を伝える。驚きつつも、わたしの気持ちに寄り添うように温かい言葉をかけてくれる夫。
そして、 落ち込んでいるわたしを気遣って(?)
「今日めっちゃ面白い動画見つけたんだけど、絶対元気出るから観てよ」
と言い始めた。
ちなみにわたしは中学を卒業して以来テレビ(民放)をほとんど見ていなくて、お笑いの笑いどころが分からないつまらない人間だ。ギャグの落ちにも気づけない。お笑い以外も頓珍漢だ。究極のアナログ人間だから「YouTubeのオモシロ動画」と言われただけで身構える。
解雇された妻(わたし)のために夫がテレビで流し始めたのは、ピコ太郎の『PPAP-2020-』だった。
(↑歌詞)
姪っ子・甥っ子が2016年に大ヒットした前作『PPAP』を楽しそうに歌って踊っている姿をどれだけ見ても少しも心動かされなかったのに、この日、人生で二度と経験しないであろう「会社が倒産して突然解雇された」ドラマチックな境遇にあったわたしは、ピコ太郎の『PPAP-2020-』にひどく感動した。ピコ太郎が新型コロナウイルスに侵された世界を明るい方向に導くかもしれないー彼は地球を救うのだー本気でそう思った。
\Pray for People And Peace~!/
やっぱり夫はわたしの励まし方を心得ている。だから好き。
無職6日目の夜。