日記

昨日の夕方、家族で近所の山へ犬の散歩に行ったら、同じタイミングでやってきた夫婦が大きなスコップを担いで脇目も振らず竹やぶへ入っていき、私たちが散歩を終えるのと同じタイミングで袋いっぱいの筍を抱えて駐車場に戻ってきた。雑木林を歩いていたら、筍を掘ったと思しき跡や剥いた筍の皮をたくさん見かけて、春らしいもの、山菜が食べたいと思い夕食の献立は山菜の天ぷらと蕎麦に決まった。帰り道スーパーに寄ると筍が山積みになって売られている。大きいもので1200円くらい、小さいと800円くらい。いまさっき、一時間のあいだに7つも8つも筍を収穫するのを目にしたばかりである。どうも筍を買う気にはなれなかった。山菜を求めて大型スーパーに行くのがそもそも間違っていたのだが、案の定、筍の他にはわらびしか見つからなかった。わらびを買うのは初めてで、アク抜きに半日以上かかるということを知っていれば「今晩の天ぷらの材料に」なんて思わなかっただろう。結局、鶏肉と大葉と舞茸とかぼちゃとナスを天ぷらにして、わらびは次の日になってとりあえずレシピで見つけたナムルにして食べた。夫は気を遣ってくれたのかおいしいねと言ってくれたけれど、私は普通のニラともやしのナムルが好きだと思った。zineを作ると決めてから頭のなかがzineのことでいっぱいで、日中はもとより寝ているあいだにも何かを思いついては起きてメモをするということを繰り返していたらだんだん疲れが溜まってきた。完成できるかわからないし、それが完成したとて、自分が納得いく出来栄えになるかもわからず不安でしょうがない。久しぶりに開いた森巣博の「無境界家族」に「しなければならないことは、しなくても一向に構わないが、したいことは、是非ともすること」と書いてあった。私の好きな言葉だ。一つ大きな仕事を終えたばかりで遊んで暮らすはずだった4、5月。自分で締め切りを設けて、苦しみながら文章を書いて、不安になって寝れなくなって一体何をしているんだろうと思ったけれど、これはしなければならないことでもなく、したくないことでもなく、私が進んでしたいことなのだ。