土のなかからドーナッツ

天気が良いので外に洗濯物を干していたら、夫が困った顔で

 

「どうしよう。朝、ベランダでプランターの土をほじほじしていたら土の中から小さいドーナッツが見つかって、面白いからなな(わたし)が起きたら見せようと思ってそのままにしておいたら、いまピーツ(愛犬)が食べちゃった」

 

と話しかけてきた。

 

訳が分からない。私たち夫婦はほとんどお菓子を買わないし、食べない。

ドーナツ(想像するにヤングドーナツ的なもの)なんてここ数年見てもいないし、うちにあるはずがない。プランターの中にある土は、ホームセンターで買った家庭園芸用のものだ。ちなみに我が家のベランダは、部外者がちょっとした悪ふざけでプランターに向かってドーナッツをぽ~んと投げ込めるような作りではないし、そもそも、うちのプランターに向かってドーナッツを投げ込むってなんなのか。なぜ土のなかにドーナッツ(けっこう状態が良かったらしい)があるのか。訳が分からない。

 

ついでに説明しておくと、ピーツは3年ほど前にわたしのピルを間違って大量に飲み込んだことがあり(話せば長くなるので割愛)、動物病院の先生にひどく怒られたことがある。ピーツが体調を崩したらどうしよう。嫌な予感がした。人工芝の上にピーツが食べ残したドーナッツのかけらが落ちていたので、夫に「ドーナッツ型の農薬だったのかもしれないよ(?)。食べてドーナッツかどうか確かめてみてよ」と言ったら本当に口に含んでしまった。夫は「味がしない」といぶかしげにつぶやいたあと、得体の知れないものを口にしてしまったせいで、少し気分が悪そうにしていた。こちらまで申し訳ない気持ちになった。

 

 

 

訳が分からないながらもこの事象が面白すぎて熱が冷めないうちにブログを書いてたら(最近なんでもネタにしがち)、夫が何かを発見したように目を輝かせて近づいてきた。夫が見つけたドーナッツの真相は以下の通りである。

 

 

matome.naver.jp

 

 

NAVERまとめによると、

カラスはじゅうぶんに食事を摂ると余った分を貯めておく習性があるようです。これを『貯食』といいます。余った食事は、色々な場所に隠します。

それこそ何十箇所も隠していて、それを忘れることなく覚えており、特に、カラス科のマツカケスは、1万カ所も隠していて覚えているのだそうです

その際,隠した場所を100箇所くらい覚えているばかりでなく,腐りやすい物をどこに隠したか,腐りにくいエサはどこに隠したのかもしっかりと記憶しているらしい。

カラスの貯食場所も面白い。樹洞や地面は当たり前で、自分の古巣、マツ類の枝の上、屋根の隙間、信号機、電信柱のパイプの穴など挙げたら切がない。

その隠し場所として多いのが、植木鉢や植え込みのなか、建物のちょっとした隙間などです。カラスたちはこういう場所に、朝のゴミなどからせしめた好物の肉やパンをせっせと隠します。

 

ということらしい。

 

つまり、カラスがどこかでゲットしたドーナッツを我が家のベランダにあるプランターに埋めて(貯食して)、わたしの夫が偶然掘り起こしてしまって、それを見つけたピーツが食べた。妙に納得。

 

 

 

人生、知らないことばっかりだ。わたしたち夫婦は原因が分かって安堵した。

ピーツは自分の寝床ですやすや眠っている。