ピクサー映画「INSIDE OUT(邦題/インサイド・ヘッド)」を観ました

赤子、生後三十七日目。

 

育児にも慣れてきて子が寝ているあいだの時間を有効活用したいと思えるほど余裕が出てきた。かといって今すぐ仕事があるわけでもなく、とりあえず映画でも観ようと、ずっと気になっていたピクサーの「INSIDE OUT」(邦題/インサイド・ヘッド)を観ました〜〜〜。

 

f:id:nov14b:20210209195045p:plain

 

※生まれたばかりのライリー、可愛すぎ。

 

ちなみに昨年末、話題になっていたディズニープラス独占配信のオリジナル映画「ソウルフル・ワールド」を観たいがためにファイアースティックを買ったんだけど、噂に聞いていたとおりディズニープラスのサービスがクソだったので即解約。「育児でずっと家に引き篭り生活だし、ぜったい活躍するから!」と夫を説得して家計でファイアースティックを購入したので何となく後ろめたかったのだけど、今はプライムビデオのレンタルで重宝している。良かった。

 

f:id:nov14b:20210209221752p:plain

 

あらすじは省略。初っ端の主人公・ライリーの幼少時代から、カナシミ(sadness)を良く思っておらず、辛いことや悲しいことに直面したときに、落ち込むことや悲しむことをネガティブなこととし、とにかくポジティブに幸せだったときを思い出して現実逃避したり明るく振る舞ったりしようとする(させる)ヨロコビ(joy)の存在が超しんどい。

 

f:id:nov14b:20210209195819p:plain

f:id:nov14b:20210209195846p:plain

 

泣きたいときに泣けず、辛い思いをしても表情にも言葉にも出せず。両親を大切に思うばかり常におどけたり明るく振る舞ったりして家族を楽しませようとするライリーの姿を見ながら胸が苦しくなる。

 

思い出したのは両親が離婚したときのこと。一緒に暮らすことになった母や妹の前では、心配させたり家のなかが暗くなったりするのが嫌で、めそめそすることも悲しむこともできなかった。母にも父にも離婚して欲しくないと言えなかった。離婚の原因(と当時の私は思っていた)となった父に対して怒ることも嫌いになることもできず、「私はこんなことになってもあなたを憎んでいない」と言ってしまった。しかるべきタイミングでちゃんと悲しんだり怒ったりしないで感情を抑圧すると、負の感情はどんどん蓄積して、ずっと引きずることになるんだよ、、と心のなかでライリーに話しかけた。

 

 

f:id:nov14b:20210209200027p:plain

 

物語の後半、落ち込むビンボンに対して「落ち込まないで」「元気出して」「なんとかなる」と、悲しみの原因に目を向けずにとにかく前を向こうと励ますヨロコビ。

 

f:id:nov14b:20210209200235p:plain

f:id:nov14b:20210209200553p:plain

f:id:nov14b:20210209200619p:plain

 

↑ポジティブおばけ(うざい)

 

f:id:nov14b:20210209200644p:plain

 

一方、カナシミはビンボンの悲しみの原因に向き合い、感情を吐き出させることで、立ち直るきっかけを与える。

 

f:id:nov14b:20210209200316p:plain

 

f:id:nov14b:20210209201000p:plain

 

f:id:nov14b:20210209201027p:plain

 

話は飛んでクライマックス。ライリーは自分が抱えている寂しさや悲しみを両親に打ち明ける。自分の感情をちゃんと認めて、向き合うことができて本当に良かった(涙)。

 

喜びも、悲しみも怒りも恐れも嫌悪も、どれも大切な感情。どれかを無視したりなかったことにすることはできない。抑圧すると、そこ(現状)から逃げるしかなくなるんだよ(ライリーは終盤、家出をする決心をする)。

 

 

 

もう一つ、この映画の良いな〜と思ったのが、楽しかったことも悲しかったことも、全てが人格を形成する上で大切な思い出だと伝えていたこと。苦しかったことも悲しかったことも抱えて生きていくしかない。楽しいことだけで人生を充実させるのは無理なのだ。なかなか辛かったことを「経験できて良かった」と思うことは難しいけれど、たしかに今の私があるのは過去の自分があったからだな、そんなことを思いました。(ソウルフル・ワールドより好きだった)