洗髪の自粛要請

 

 

昨晩、湯船に浸かりながらふと考えた。

 

 

「今日は髪の毛を洗おうか、否か」。

 

昨日はほとんど家の外に出なかった。

失業4日目、気持ちを清算するためにショートカットにしたので、髪の汚れ度的なものも低い気がする。ちょっと洗うのがめんどくさい気もする。

 

 

 

「外に出なかった人は、一日髪の毛を洗わなくてもいいですよ」

脳内で、誰かがアナウンスする。

 

 

いや、髪を洗うかどうかの判断は、外出したかどうかが重要なのではなくて、一日にどれだけ汗をかいたかが重要なのではないか。

 

 

 

 

この議論、どこかで見た気がする。

石川県の休業要請及び休業の協力要請と、協力金支給の足切り基準だ。

 

 

 

以下、無職だし暇なので果てしなく妄想。

(※最近「時間だけはあるんです」が口癖になりつつある)

 

 

 

 

石川県が「水資源の節約のため、一日外出しなかった人は、髪の毛を洗わないでください。ただし髪の毛の量が一定以下の人は、外出したとしても洗わないで下さい。」と要請したとする。

 

 

 

わたし「髪の毛を洗うかどうかは、外出したかどうかが重要なのではなくて、一日にどれだけ汗をかいたかどうかが重要なのではないですか?」

 

 

県職員「そういうことになっておりますので」

 

 

わたし「いや、でも、人によって汗をかく量も違えば、髪の毛を洗いたくなる頻度も違えば、髪の毛を洗わないことにより頭が臭くなる人も、そうでない人もいますよね?そういうのを全て、外出したかどうかで判断するのはおかしくないですか?」

 

 

県職員「洗髪の自粛要請というのは、水不足を解消するために実施しているものであります。そうした中で、外出していない人については、適切なブラッシングやヘアミストを使用することにより、いわゆる髪の不衛生を避けることができるとして、自粛を要請しているものであります。基準については、どこかで一定の線を引かざるを得なかったものであり、本県の措置に対して、皆様から様々なご意見をいただいていることは承知しておりますが、何卒ご理解いただければと存じます」

 

 

全く道理が通らない話に、キレかけるわたし。

そこに、10年以上スキンヘッドを守り続ける夫が突然参戦。

 

 

夫「髪の毛の量基準ってなんですか!?見た目は髪があるよう見えても、それは少ない髪を伸ばして、頭皮を隠して誤魔化しているだけなんじゃないですか!?毛根の量で正しく判断してくださいい!!!!!!!!!!!」

 

 

 県職員「他県の決定や様々な状況を総合的に勘案した上での判断ですので、何卒ご了承ください」

 

 

 夫「ハゲだってねえ、毎日髪の毛洗ってリンスもするんですよ!!!!!!!!!!!!ハゲをナメんじゃねえ!!!!!!!!!」

 

 

 

(夫はスキンヘッドだが、本当にシャンプーを使って無い髪の毛(?)を洗う) 

 

 

 

 

・・・とここまで要らん妄想をして、やっぱり床面積とか髪の毛の量とか、そういう納得を得づらいものを基準にしてはいけないなと思った。

 

みんなそれぞれに髪の毛を洗う(洗いたい)タイミングというものがあるし、それは決して外出したかどうかでも、髪の量でもはかってはいけない。分かりづらいから、「毛根の量」とか言い出すクレーマーが出てくる。水不足解消のために県民に洗髪の自粛を要請するのであれば、等しく要請をするべきだ。そこに謎の基準があっては、県民の間に不公平感が生まれるだけなのだ。

 

 

 

 

わたしは髪の毛を丁寧に洗って、風呂から上がった。 

 

 

 

 

 注1)夫の頭皮の記述については本人に了承を得て、事実に基づき書いています。

 

注2)夫の頭皮について。プロのロックミュージシャン時代、金髪にしたりワックスで髪の毛を逆立てたりして頭皮を痛めつけてきた夫は、案の定、若くしておでこが広がり、33歳からハゲ隠しのため、スキンヘッドとなりました。以来スキンヘッドを守り続け、早12年。いまではスキンヘッドがトレードマークとなり、もはや夫に髪の毛が生えていたという事実さえ周囲の人は忘れ去っています。