4月初旬、夫が教室の自主休業を決める直前のことだったと思う。
夜、仕事から帰ってきて「最近生徒の表情を見てないんだよ」ってつぶやいたのが、やけに印象に残っている。マスクをしているから生徒たちの表情が分からない。表情が分からないと元気なのかどうかも分かりづらい。表情って大切なコミュニケーションの一部なんだと気づかされた。
今日、5月1日の公開以降話題になっている『カメラを止めるな!リモート大作戦』を観た。
14分34秒頃、一般の人たちによる笑顔の投稿動画が流れ始めてから最後まで、涙が出て止まらなかった。笑顔って、ものすごく強い。
誰かの笑顔に、こんなに元気付けられるなんて思わなかった。
上田監督のコメントが素敵だったので引用しておく。
新型コロナウイルスの感染拡大。未曾有の事態に世界中が不安に包まれています。外出自粛要請、感染への不安により「人に会えない」状況が続いています。いま、自分にできること。それはやはり「明るいエンターテイメント」を創って、それを楽しんでもらうことだと思いました。いま下を向いている誰かに前を向いてもらいたい。そんな想いから本作を創り始めました。また、現在、仕事を失い生活の危機に瀕しているクリエイターが沢山います。そんな人達に「人と会えない状況でも知恵 と工夫でものづくりは出来る」と前を向いてもらいたい。完全リモート制作の本作が、誰かにとって「新たな仕事を創出するヒント」になればとも思いました。
そんな想いから作り始めた本作。とにかく愉快痛快な楽しい映画を!と作ったんですが。自分自身、編集をしながら涙が止まらなくなってしまった場面が2箇所ありました。いつの間にか、今自分が考えていること、抱え込んでいる想いが染み込んでいました。半分は誰かの娯楽のために。半分は自分を救うために。この作品を創ったんだと思います。
この作品が誰かの気分を少しでも明るくすることが出来ますように!
この状況で生まれるクリエイティブがある。この状況だからこそ作れるものがある。
素直に、前向きな気持ちになれた。