日記

高校時代、人生で最も病んでいた私はBUMP OF CHICKENバンプ)に激ハマりして本当に救われもしたのだけど(余談だけど「BUMP OF CHICKEN/ピアノ・ソロ・インストゥルメンツ」という楽譜が本当に素晴らしくて、私はつらいとき「embrace」を弾きながら何度も泣いた)大学に進学したとたん手のひらを返すようにバンプ青臭いメジャーダサいインディーズこそバンド好きが愛すべき存在世の中にで始めたばかりのバンドを私が見つけて応援して育てる!みたいなこれもまた大学生らしい感じになっちゃって売れることや大衆受けすることを馬鹿にしていた時期もあった。のだけど最近春の空気を感じ始めてふと頭に流れた「グロリアスレボリューション」を聴いて純粋に感動した。「弱音という名の地雷原を 最短距離で走ってこい 自信という名のスーツは 大層丈夫な造りだから 凡人の一般論は アイロンかけて送り返せ 震えてるのかい?そいつは武者震いだろう」!こうやって書き出してみるとなんだか少し恥ずかしい、でも最高!音楽のすごいところは多少クサいフレーズもメロディーでオブラートに包めるところだと思う。売れ続けるのはすごいし第一線に立ち続けるのはすごい。インディーズで「売れたら負け」とか思ってるひと少なくなさそうだけど、魂売ったら負けだけどメジャーでも信念貫き通すのがかっこいいじゃんふつうに。ブルーハーツはダサいか?忌野清志郎は大衆に魂売ってたか?そんなことないでしょぜったい。たまに取材をしていて「みんなにわかってほしいわけじゃない(大衆に迎合したくない)。売れなくてもいい」と言うひともいるけど売れたくないと思う人はチャリティーで自分の音楽なり表現なりしたらいいんじゃないか。ということで前回のブログを書いたあとに自分は何にもやもやしているんだろうって考えていたら辿りついた答えっぽいものが「特別になりたい」ということだった。特別になりたい。何か面白いものを書きたい。メジャー、インディーズの話のながれで、わたしがブログに書いたところで何の影響力もないし仮に本人に届いたとして無風だと思うので書くけど、失業したばかりの頃に超財力があって(!)これからかっこいい雑誌を立ち上げようとしている人たちから声をかけられたことがあった。編集長をつとめる人は中央誌(以前私が勤めていた雑誌社では、自分たちが手がけている地方の「タウン誌」に対して、都内の出版社が発行する全国区の雑誌を「中央誌」と呼んでいた)で有名人や大物アイドルなどのスタイリングを手掛けるファッションスタイリストだった。はじめは「一緒に雑誌を作りませんか、副編集長をつとめてほしい。編集部は金沢の〇〇町に置くことになると思う」と言われて、わたしは引き続き雑誌に携わってクリエイティブを続けられること、東京で大きな仕事をしている人たちとチームになることなどに心躍らせたのだけど、ちょうど私が失業したばかりのタイミングで彼らが発行した創刊号があまりにださくて、というかお金をかけていることだけはわかるけどその雑誌を通して何を伝えたいのかが一切わからない。そもそもお前エディトリアルデザイン理解してないだろってくらい読みづらく(わたしはデザインで読みやすくすることも伝えるためには欠かせないと思っていて、見た目重視で視線誘導もままならない誌面など、伝える気がなさすぎでほんと幻滅する)、身内ノリも甚だしくてそんなんで代官山蔦屋とか金沢21世紀美術館ミュージアムショップで販売されているのも意味わかんなくて、極めつけはスタイリストの「まずは仲間になって創刊号を売ってほしい。売り上げに応じて一定の報酬は支払います。その後、二号目の話をしよう」という全く理解できない発言。最初は副編集長だなんだと調子のいいこと言ってたのに結局営業の人手が欲しいだけなのか?っていうか熱量注いで売り込むほどの出来でもないんだけど、と断ったら「僕たちは一流だけど、あなたは何ができるんですか?」とキレられてこっちもキレて決裂したということがあったのが今から3年ほど前でした。ジャニーズのスタイリング担当してるからなに?あんたが言う一流って仕事の大小で決まるんか?…とまあそれでフリーランスで生きていこうと決めていまに至る。1500文字も書いているが話がまとまらなくなってきた。最初にバンプの話を出して「メジャーはすごい」「売れることを恥ずかしがってはならない」と書いたけれど、一方で売れること、かっこいいことだけが全てとも思わない。せっかく組織に属さずフリーとして仕事をしているのだし、譲れないことは絶対譲らない、自分の信念を守ることがめちゃくちゃ大事だとことあるごとにクソスタイリストのことを思い出しては肝に命じている。