子、ここ数日鼻呼吸が少し苦しそうだったので夫に鼻吸い器を買ってきてもらった。まだ電動のものは必要なさそうだったから、ドラッグストアで取り扱いがあったピジョンの「鼻吸い器 お鼻すっきり」を選んできてくれた夫。沐浴後の鼻水が柔らかくなっている(?)タイミングで上手に鼻を吸い、鼻水を除いて、子も気持ちが良さそうにうっとりしていた。
ところでびっくりしたのが、この裏面の説明書き。
ママのお口で吸引力を調整しながら吸ってあげる鼻吸い器です
逆流防止パーツが付いているので、ママの口に鼻水が入る心配がありません。
念のため付け加えておくと、この商品、別にママ(女性)が吸いやすいように工夫が施されているわけではない。別にパパが使ったって良い商品なのだ。現に我が家では夫が買い、夫が使っている。なんで使用者を女性に限定するんだろう。
生後三十日目を迎えた2月2日のこと。朝、布団でだらだらしていたら夫が鼻をぐすぐすさせて、涙を流して「泣ける・・・」といってこの画面を見せてきた。無事、一ヶ月を迎えた安堵と喜びで感動したらしい。私が妊娠してまもなく二人でダウンロードした、妊娠・出産を記録するアプリ・トツキトオカ。このアプリを毎日開いて「今日のお手紙」や、週一回の「この頃のママの様子」、「パパへのアドバイス」を読みながら出産や育児への期待を高めてきたのだけど、その夫が感動したというメッセージを読んで私は落胆してしまった。「ママにとっては、ママになって1ケ月の記念日です」。これまでパパに向けた内容もあったのに、なんで最後の最後で「ママ」だけに限定されているんだろう。夫は育児をとても頑張っている。なんだか悔しくなって、その日の晩に夫に宛てて「パパになって1ヶ月の記念日」を祝う手紙を書きながら泣いた。
わたしは別に、妊娠・出産を記録する「母子手帳」にパパを入れろ!とは思わないけど(母と子の健康を管理するものなので)、育児に関しては、企業が性別を問わず参加する(できる)ようなメッセージを発信したら良いのにと思う。
例えば、我が家も購入したアップリカの抱っこ紐「コアラ ウルトラメッシュ」の紹介文。
そんな毎日に欠かせないアイテムだからこそ、赤ちゃんもママも快適が一番。
ママの疲れにくさはもちろん、赤ちゃんも心地よく過ごせるアップリカの抱っこひも。
抱っこひも | ベビーカー・チャイルドシートのアップリカ | Aprica
私たち夫婦は出産前にベビーザらスへ買い物に行き、夫がこの抱っこ紐を試着して、夫が気に入ったので、これを買った。ちなみに私はお腹が出ていたので試着していない。使用者を「ママ」前提にしているのは、どうしてだろう。
HPを見たら、コンビもこんな調子だった。
ママと赤ちゃんの絆を結ぶ抱っこひも。
いつも快適なだっこができるように、コンビの抱っこひもは
ママと赤ちゃんへのやさしさにこだわりました。
【コンビ】抱っこひも(子守帯)の種類・機能・違い|ベビーカー・チャイルドシートのコンビ株式会社
ちなみに外資のエルゴベビーやベビービョルンは「ママのために」的なことは謳っていないし、HPの各ページに、自然に男性が出てきます。
エルゴベビー「OMNI 360(オムニ スリーシックスティ)」の紹介文↓
快適がつづく オールインワン エルゴベビー
成長に合わせて形を変え、前向き抱きにも対応するエルゴノミックシート採用
新生児から3歳頃までどの月齢でも、赤ちゃんもパパ・ママも快適がつづく、プレミアムモデル
ベビーキャリア:Products 製品詳細 | Ergobaby - エルゴベビー公式サイト | ベビーキャリア・抱っこひも
ベビービョルンのページ↓
韓国のコニーもね。(我が家では夫と私、それぞれのサイズに合ったものを購入)
NEW コニー抱っこ紐 / Black ブラックjp.konnybaby.com
日本で育児をしていると、まじでこんなのばっかりで心底うんざりする。
図書館で育児本を借りてもそう。母親が読むことを前提とした内容が並んでいる。前述のように育児アイテムだってそうだ。日本では、社会が育児から男性を無言で締め出しているように感じる。私の夫のような育児に一生懸命な人が蔑ろにされているような気がして、とても気分が悪い。
ちなみに妊娠中、興味があって外出先で夫が男子トイレを利用した際は、オムツ替えスペースがあったかどうかを確認していた。無論、女子トイレにはオムツ替えスペースがあるものの男子トイレにはない、という商業施設ばかりだった。男性が子連れで一人で外出することは想定されていないのだろうか?
我が家のように夫婦で育児を協働している家庭もあれば、事情があってお父さんだけで育児をしていたり、男性カップルで子育てをしている家庭もあると思う。育児というのは女性に限定されたものではなく、育児に携わる人全てに等しく開かれたものであってほしい。本当に。
追記/貝印が「ムダ毛を剃るか剃らないかは自分次第」という広告を出したのは2020年だった。こういうメッセージが、育児業界でも出されればいいと思う。