124日目

赤ちゃんはお散歩が好きなようで、抱っこしたりベビーカーに乗せたりして外に出ると、必死になって外の情報を吸収している(ように見える)。まるで外の世界を研究しているようで、私と夫は、そんな様子を見ながら「天才みたいだね」と話す。雨の日は傘を打つ雨音に驚き、晴れの日に公園に行けば鳥の声に目を丸くし、草木の緑をまじまじと眺めている。晴天の日は眩しそうに目を細めて、薄暗くなってから外に出ると少し不安げにしている。そんな娘を見ながら、言葉って非力だなあと思った。どんなに言葉を尽くしても言語が違えば伝わらないことがほとんどで。っていうか同じ言語を母国語とする人同士でも、言葉を尽くしても分かり合えないことなんでザラにある。一方で非言語的な表現、感性に訴えるもの、風景や音楽や映像って言葉がなくても同じように驚いたり感動したりすることができるのって、改めてすごいことだと思う。いま、たった生後4ヶ月の赤ちゃんと言葉を通わせることはできないけど、たとえば同じ風景を見て、同じように感じることはできるのかもしれない。本の読み聞かせとか、内容を伝えるとか、そういうのは二の次で、音を楽しむ、耳で感じる、目で見えるものを楽しむ、風を感じる、心を動かす、そういうことを伝えていければいいな。