世界10周船の旅

3、4年間で世界を10周以上した人に会った。世界を10周以上した人に会ったというか、取材でたまたま会った人が世界を10周以上した人だった。ケープタウンにもレイキャヴィークにもイースターにも行ったらしい。ピースボートで船上料理人をしていた人で、「海の上で料理をしているとね、鍋は揺れるし寸胴がひっくり返ることもあるし。だから船をおりたときに、地上で料理するなんて楽勝じゃん!って思いましたね」って話していた。日本へ久しぶりに戻ってきて気づいたことはありますかって聞いたら、「なんでこんなに働いている人が年寄りばかりなのか驚いた」って返ってきた。本当に、どこを見ても年寄りばかり。それに、どこも活気がない。若い人がいない。いても元気がない。出生率が低下とか高齢化が止まらないとかどうだとか報道で見聞きしていても、いま見える世界に慣れてしまっているからそれが異常なのか正常なのか、寂しいことなのか幸福なことなのかもわからない。けど、世界を旅して帰ってきた人にはそう見えるのだそうだ。備忘録として。