日記

5月1日、夫と娘と沼垂(ぬったり)にあるゲストハウス「なり」に宿泊。3年前、コロナ禍が始まったばかりのころだったと思うが、存続のためクラウドファンディングを募っていて、心の中でずっと応援していた宿だったので迷わず支援した。今回はそのリターンを使って和個室を予約。いつか気になっていた小冊子「NIIGATA NATIVE NAVIGATE(NNN)」を見つけて共用スペースである茶の間で軽く読んだ。エッセイ集(?)だったのだという驚きと(わたしはほとんど説明文を読まないのだが、勝手にいわゆるタウン誌的な写真付きの店紹介がなされていると思っていた)、さっとめくっただけでも二人の書き手が「北書店」について書いていたという驚き。ツバメコーヒーの店主、田中さんは「最近の佐藤店長を見ていると(文脈としての)本棚をうまくつくることで差別化をはかろうとする志向性(の凡庸さ)から、離れよう離れようとしているように見える。」と書き、いつかの佐藤店長の言葉「こういう名作は誰でも知っている割に、どこか低く見られているところがある。でも、実際見てみると奥が深い。当たり前のように思われているものの中に面白さを見つけるという点では、本屋としてぼくがやりたいことだと同じだと思っています」を引用していた。近所の銭湯で疲れを癒し、居酒屋で大いに食べてちょっと飲んで、もう20時過ぎには疲れ果てて眠たかったのだけど宿に戻ってふたたび小さな本棚を眺めるとこれまたいつか気になっていたタイ在住の漫画家・タムくんの「ヒーシーイット」を発見。寝かしつけを終えたらバーでハーブティーを頼んでゆっくり読みたいと思っていたけれど娘が眠りに落ちた21時半にはもうわたしもくたびれて夜も早々に眠ってしまった。今日のこと。なりをチェックアウトした後、おいしいコーヒーを求めて沼垂テラス商店街にある「紡ぐ珈琲と。」へ。私はアイスカフェラテと食い意地張ってシナモントースト、夫はアメリカン、娘はキッズサイズのリンゴジュースを注文した。私たちのテーブルの横にはコーヒーに関する雑誌や書籍があり、かっこいいデザインが目にとまって手に取った雑誌はなんとコーヒー専門の雑誌で、コーヒー専門の雑誌っていうと「料理通信」みたいなのを思い浮かべるひともいるだろうが、例えるならばWIREDとかスペクテイターみたいな雰囲気で特集もコーヒーにまつわるあらゆるテーマを扱っていてめちゃくちゃかっこよかった。世の中にはいろんな雑誌があるし私は雑誌が好きだしかっこいいものを作りたいという気持ちをふたたび思い出す(そして忘れる)。その後、少々気が早いようだが6月に誕生日を迎える夫が「大容量のリュックが欲しい」というのでリサーチがてら石井スポーツに行く。石井スポーツでは毎回図書コーナーをチェックしてしまう。いつものように山や登山に関する本が並んだ本棚を見ていると、「登山者のための法律入門」という本があり、「山に犬を連れて行くのは問題か?」「山は誰のものか?」といった章で、山や自然に対する日本と諸外国との考え方の違いが書かれていて面白かった。行く先々で、いつも誰かの言葉を文字を探しているような気がする。