昨日(十四日目)の追記

赤子は耳が良いらしい。というか、視力が完成するのは6歳頃(!)とのことなので、必然的に聴覚に頼らざるを得ないのだろう。そういえば父から「良い音楽をたくさん聴かせてあげてね♪」と言われ、産前にはフジコ・ヘミングのコンサートCDが送られてきた。

 

親に聞かされた音楽の影響は大きいと思う。私の記憶の限り、父はドライブのときにEnyaの「Paint the sky with stars」をよく流していた。そして私は「移動といえばEnya」になった。海外へ一人旅をするときは、飛行機のなかでEnyaを聴くのがお決まりだ。ディズニー映画を観たあとには、レコードショップに行ってサウンドトラックを買うのが定番コースだった。おかげでディズニー音楽が大好きになった。高校から大学卒業まで、毎年ディズニーオンクラシックを聴きに行った。

 

 

昨日、どんな流れだったか、夫が子を抱きながら「歌(音楽)を聴かせた方が良いと思う」と言って、甲本ヒロトカバーの「I shall be released」を歌って聴かせていた。

新生児の育児は介護さながらだ。犬は生まれたばかりでも撫でれば顔を緩め、自らすり寄ってきて甘え声を出し、こちらが注いだ愛情に対してしっかりと応えてくれる。一方で新生児は泣く以外に自己表現方法がない。表情もない。笑っているように見えるのは、たまたまそう見えるだけ。大人たちの勝手な思い込みだ。私たちがどれだけ愛情を注いでも、快適な環境を提供しても、それが私たちによる愛情によるものだと分かるのはずっと先だろう。それでも、夫の歌声に子は耳を傾け、どこか満足しているように見えた。

 

youtu.be

 

騙されたのか〜♪騙したんじゃないのかい♪
間違ったのはどっちだ〜僕じゃないって言えるのか〜♪

 

元ミュージシャンの生歌を聴けるなんて幸せなことだよ、子!

 

 

 

 

そして夜。就寝前にひと泣きし、搾乳90mlを10分で一気飲みして(ふだんは20、30分かかる)おかしな覚醒モードに入った赤子。眠い目を擦りながら寝かしつけようとする私たちに向かって「まだ寝る気分じゃないんですぅ」と訴えるように泣き続け困っていると、夫に「ななも歌ってあげれば」と無茶振りをされた。「くるりの東京とか」。くるりの「東京」で寝るかいな、と思いつつ歌ってみたものの子は泣き続け、発案者の夫には「子守唄向きじゃない」と却下され、その後、苦肉の策でネットで検索したYUKIの歌詞カードを見ながら数曲歌い続けたら、子、飽きたように眠った。

 

 

愉快な育児の日常。