日記

夕食のあと、娘とディズニープラスで「ポカホンタス」を観ていた。「ポカホンタス」は私にとってディズニーのなかで1、2位を争う作品。少し前に勧めてみたところ、冒頭の荒波航海のシーンで「こわい、やめる」とリタイアしたきりだったが、今日おもむろに「ポカホンタス観る」とつぶやき、そのまま最後まで観終えることができた。娘と共にぼんやりとエンドロールを眺めていたら、最後に「1995」という文字が現れた。1995年公開かあと思いながら、そういえば私が幼い頃に繰り返し観た「アラジン」も1990年代公開だったことを思い出す。大好きな「ノートルダムの鐘」は1996年、「ヘラクレス」は1997年に公開されている。平成2年、1990年に生まれた私は、10歳までのあいだに親からディズニーの新作映画のビデオを与えられ、それらを観て育ったのだろう。

 

私も娘も、朝が弱い。毎朝7時、7時半、7時45分、8時と小刻みに夫が起こしてくれるが、なかなか起きられない。先日「俺だって毎朝毎朝大変なんだよ」と寝起きが悪い私たちへの不満を夫が吐き出し、目覚まし時計を買おうという話になった。目覚まし時計といえば、子どもの頃に実家にあったミッキーマウスの時計を思い出す。指定した時間になると、ミッキーマウスマーチのメロディを背景に、ミッキーが「グッモーニン、起きる時間だよ!今日もわくわく、楽しい一日が待ってるよ〜!」とハイテンションで歌い出す。強烈な目覚まし時計だった。しかし私の父は、言葉通り四六時中働き泥のように眠っていた父は、耳元でミッキーマウスが高らかに歌っても起きなかった。見かねて母が怒鳴っても、私が蹴っても、起きられなかった。時は経ち、夫と目覚まし時計の話になり、あのミッキーマウスの目覚まし時計が欲しいと思った。私にとっての目覚まし時計は、ミッキーマウスのそれだった。「ミッキー 目覚まし時計」のキーワードで調べてみると、見覚えのある画像が何件もヒットした。なかにはプレミアがついているものもある。中古市場で出品されている商品の説明文には「東京ディズニーランド開業当初に販売されていた商品のようです」と書かれていた。東京ディズニーランドは、両親が20代だった頃に開業した。あの目覚まし時計は、父と母の思い出の品だったんだ。

 

夢とか魔法とか、愛とか勇気とか、そういうものをなんとなく胡散臭く感じるようになって距離を置いていたディズニーと、娘が生まれてこんな形で再び会うとは思わなかった。そして、ディズニーに親しんだ過去を振り返るうちに両親の思い出に行き着くだなんて思ってもみなかった。