NHK ハイビジョン特集 アフリカ縦断114日の旅

NHK BSプレミアムで「ハイビジョン特集 アフリカ縦断114日の旅」を観ていたら、エジプトの民族衣装「ガラベーヤ」を売る店でイギリスから訪れた女性の団体客があれこれ楽しそうに試着をして、買うものを決めたあとに値段を聞き、店主から「うちのは全部手縫いで装飾されている一級品だから、450ポンド(当時の日本円で9000円)だよ」と言われて「高すぎる!私の知人は他の店で50ポンドで買ったと言っていたわよ、こんな店で買い物はできない、みんな帰りましょ」と返すシーンがあった(一行が長いな、、、)。店主は一度にたくさん売る機会だから食い下がって、そこからイギリス人女性の値下げ交渉が始まるんだけど、店主の「いくらが希望だ?」に対してイギリス人女性は一貫して「50ポンドじゃないと買えない」と退かない。イギリス人女性が持参した電卓を叩いて店主との交渉が続くのだけど、結局最終的には店主が折れて50ポンドで決着がついた様子で、イギリス人女性は「女は強いのよ!ぼったくりなんてさせないわ!」と自慢げにしていた。私も同じような経験があって、というか日本よりも物価が安いとされる国、主に発展途上国と呼ばれる国を訪れたことがある人は誰でも経験があるのではないだろうか。アメリカやイギリスなどの先進国で買い物のときに値引き交渉する人ってまずいないだろうけど。旅の手引きをひらけば「定価はぼったくりだから上手に価格交渉してお得に買い物しましょう」みたいなこと書いてあるし。タイでもベトナムでもトルコでも強気な価格交渉をした記憶があるけど、それは先進国から発展途上国を訪れる旅行者の態度として正しかったのだろうか、、と映像を観ながら考えてしまった。そのイギリス人女性の態度が私には不快だった。時代が変われば考え方が変わるのか、世界では今もこういう価格交渉が続けられているのか、「1ポンドでもお得に買える」ことにどれだけ価値があるのか、「現地の店で価格交渉をして勝つ」ことが目的なのか。考えすぎなのかな、どうなんだろう。店の人が50ポンドで妥協したのなら、その値段で問題ないのだろうか。売り手と買い手が気持ちよく取引ができればそれで良いのだろうし、仮に店で価格交渉をしていたのがイギリス人じゃなくてアフリカの他の国から訪れた人だったら私の受け取り方も変わったのかも知れない。いずれにせよここには私のいろんな偏見が凝縮されているような気がして、色々と考えてしまった。