動く光

夕飯を終えてお風呂に入るまでのあいだ、娘とぼんやりテレビを見たりぬいぐるみを抱き抱えて家の中をお散歩したりして遊んでいた。しばらくして娘がどこかから靴下をひっぱり出してきて「じーぶんでー」と言いながら自分で履こうとするけど今日は上手くいかない。「くつした」と私にヘルプを求めてきたので手伝ってあげると、こんどは玄関からサンダルを持ってきて「くつ はく」「そと」と主張している。片足ずつ履かせて一緒にベランダに出る。19時過ぎ、もう外は暗い。娘は遠くに見える車を見ながら「ぶっぶ ばいばーい」と手を振ったり街灯が反射する川を見て「きれー」と反応していた。それから床に「ごりょーん」と寝転がると、「ままも」と促すのが定番。娘の隣で横になると、たくさんではないけれどかすかな光を発して輝く星がちらほらと見えた。星を「きら」と呼んでいる娘に「きらだよ」と伝えると、横になったままの状態できらきらぼしを歌い始めた。娘の歌を聴きながら眺めていた夜空には、ゆっくりと動く光もあって、それが飛行機なのか何なのか分からないけど、3つくらい見つけた。子がいなかったらベランダに何も敷かずに横になって星を眺めることなんてなかったかもしれない。秋の虫が鳴いて、少し強めの夜風が吹き、気持ちがいい時間だった。