日記2

日記っていうか。失業して自営業になって初めての仕事はホームページ制作のお手伝いで、あるお店のホームページをリニューアルするにあたってお店の思いとかこだわりとか商品の説明とかを私がヒアリングしてホームページ掲載用に文章を書いてっていう仕事だった。当初の予定ではけっこう文章量も多めにプラス写真でイメージを伝えるっていう方向性で、ディレクターの指示に従って私もがっつり話を聞いて全部で一万文字くらい書いたのだけど、最終的に私が書いた文章はほとんどというか一切使われなくて、ビジュアルメインで言葉は限りなく削ぎ落としたホームページになった。こういう仕事自体が初めてだったから自分が書いた文章が採用されないことは正直ショックで(もちろん制作費用は支払ってもらった)、ディレクターから「クライアントの考えを言葉として整理してくれたから自分たちのやりたい(ホームページで表現したい)方向性がわかったんですよ」って言われてもしっくりこなかった。...のだけど、先日別件で違うひとと打ち合わせをしていて、過去にこんなお仕事したことありますって前述の件を話したら、「そこで我を出さなかったのはすごいですね」って言われて、「黒子に徹することができない人もいる。ライターさんと話していると自分の思考が整理されるし、自分でも気づいていなかったようなエッセンスを拾ってもらえたりして、何か形に残るアウトプットがなかったとしても十分素晴らしい仕事だと思いますよ」って言ってもらえて、すごく嬉しかった。という話。