「この道が続くのは続けと願ったから」

ちょっといま暇を愛する私にしては珍しくいろんな仕事を抱えていっぱいいっぱいなのだけど、ここ一週間誰にも会わず自宅に引きこもりひたすら原稿を書いていたら5日目(金曜)にして脳が沸騰したので勢いで映画のチケットを購入し観てきました「君たちはどう生きるか」。ということで一晩経ったいま、米津玄師の「地球儀」を聞いていたらふたたび熱い気持ちが込み上げてきたので感想を書き残しておくことにする。

 

※本文にあらすじやネタバレは含みませんが映画を観るまで登場人物の名前や物語の雰囲気など一切の情報に触れたくないという人にこのブログはおすすめしません。

 

キャラメルポップコーンが大好きというか映画館のキャラメルポップコーンが好き。昔は小ぶりなバケツほどある大きなポップコーンも映画の本編が始まるまでに全て食べ切っていたのに、久しぶりに映画館へ行ったら5分の1も食べられなくて、珍しく最後までエンドロールを観終わったあと涙を流しながら売店へ行きお姉さんに「食べきれなかったので持ち帰り用の袋をください」と伝えようとしたら声が震えてさらに涙が出てきて恥ずかしかったけどそれより本当は「君たちはどう生きるか、観ましたか?どうでした?私、涙が止まらないんです。すごく良かったですね」ってすぐに語りたかった。込み上げる感情のやり場が見つからなかった。16時20分に終演。キャラメルポップコーンをもらったビニール袋に入れて車に戻るも放心状態で動き出せず、結局そのまま駐車場の車内で「地球儀」をエンドレスリピートし、17時になってしぶしぶ子どもを迎えに行く。私はもともとジブリの熱心なファンではなく観たことがある作品もそう多くないが、宮崎駿が死んだら真っ先に思い出すだろうと思った。久しぶりに物語の良さを感じたっていうか「愛する人が死ぬ」とか「感動の再会」とか「クライマックスでRADWIMPS的な音楽が流れてくる」とか「主人公のキラーフレーズ」とかそういうのじゃなくて、感動とかでもなくて、よく分からないけど涙が出るという経験が本当に久々で、最後がいつだったかも思い出せない。言葉で説明できないしこの映画を理解しているのかも分からないけれど映画を観たという衝撃だけが残っていて、いまもその余韻が続いている。私が感じたのは自分には生きる以外の選択肢がないのだということで、さっきぼーっとしながらの「地球儀」を聞いていたらタイトルにも引用した「この道が続くのは続けと願ったから」というフレーズが聞こえてきて道を続けているのは私自身なのだと気づいた。余談だけど主人公の名前がマヒトだからGEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポーのことが思い浮かんで、サギ男のヘンテコな声、実はマヒトゥが担当してるのかな要らんことを想像したり劇中に出てくる青い鳥がぜんぶツイッターの鳥に見えてツイッターレクイエム...とか思っている自分が筋金入りのツイッタラーでけっこうキモかった。