日記

バイト先で自家製の紫蘇ジュースをお裾分けしてもらった。店でも出しているこの紫蘇ジュース、本当に美味しい。味見させてもらったとき、ちょっと夏バテしていたタイミングだったこともあり、身体の隅々まで染み渡るような感じがした。たくさん作ったからと分けてもらって、家に持って帰ったら娘も夫も喜んで飲んでいた。もらったばかりというのに今週末中でなくなりそうだ。いまとなっては手作りの紫蘇ジュースを有り難がるようになったが、実家のばあちゃんが紫蘇ジュースを作っていた頃もあった。いつか台所でばあちゃんが紫蘇ジュースをこぼしたとき、真っ赤な何かを雑巾で拭いているばあちゃんの姿を見て、それを見つけた私は台所が血まみれになっていると勘違いし、とても驚いたことを覚えている。私にとっての紫蘇ジュースの思い出。当時の私は紫蘇ジュースをほとんど飲まなかったし、もっと言えば手を紫色に染めて紫蘇ジュースを作っているばあちゃんのいかにも田舎らしい姿を見て疎ましく思ったこともあった。味覚の変化ももちろんあるのだろうけど、自然から生まれたものを手作業で加工して口にすることに対する抵抗感もあったような気がする。昨晩、子どものころの自分がそんなことを感じていたのも忘れて、紫蘇ジュースのソーダ割りを飲みながら「将来は梅仕事がしたい」なんて思いながらまったりしていた。私が「梅仕事がしたい」というのを聞いたら祖母はきっと呆れたように笑うだろう。