日記

今日はバイトだった。昼過ぎに若い子連れの夫婦が来店して、赤ちゃんがめちゃくちゃかわいくて、つい「何ヶ月ですか」と話しかけてしまった。生まれて七ヶ月の赤ちゃん。夫婦もかわいくて、パートさんと「何歳くらいですかね」「20代前半じゃない?」「わたしよりひと回りも若いのか!いや、ひと回りはないか」「いや、あり得るんじゃない?」なんて話していた。私の父と母は、25歳のときに長女である私の親になった。家庭を持ってからも一人でどこかへ行きたがる私の性格は、実は父譲りのものなのかもしれないと思っている。お父さんは、私と妹が小学生の頃に語学留学と称して二ヶ月間、ひとりオーストラリアへ行き、またあるときは一人ニューヨークで年越しをした(後に聞いたところ、勤めていた会社を退職して起業するにあたり、どうしてもニューヨークに行きたかったのだそうだ)。会社を立ち上げて数年間は元旦しか休まなかったと聞いたこともある。父親の不在ぶりに母は周囲から「母子家庭」とか「(ご主人は)単身赴任?」などと言われることも少なくなかったそうだ。母は苦労しただろうし、そんな話を聞きながら、私はずっと父のことを身勝手だと思っていた。育児もろくにせず家庭に関与せずひとり自分がしたいことを追求しているように見えた。私も32歳になり子どもを持って思うのは、当たり前だけどお父さんは当時若かったということ(父が32歳のとき、私が7歳か)。子どもがいても、どうしてもやりたいことがあったということ。今となってはお父さんがやりたいことを実現できてよかったと思う。嘘じゃない。家を不在にすることは多かったけれど、家にいて一緒に過ごす時間が長いことだけが愛情ではない。先日誕生日を迎えた父にお祝いのLINEを送ると、父の幸せは、私や、妹や、母や、私の娘が幸せであることなのだと返ってきた。いろいろあったけど、私はお父さんの幸せを願っている。