9月9日の日記

私は幼いころ幼稚園に通い、地元の公立小学校、中学校、高校を卒業して、関東にある大学にストレートで入学した。入学したばかりの頃、同じクラスに1つ年上の人もいれば2つ、3つと年が離れた人もいて少しびっくりしたのを覚えている。それぞれに浪人や留学など理由があった。ずっと東日本で育ち西日本とは縁がなかったので、関西弁を話す人がいたことにも驚いた。彼は奈良県の出身だった。附属高校からそのまま進学した人たちは顔見知りばかりで和気あいあいとして楽しそうで、地方から上京した私に、気さくに話かけてくれた。同級生がたったの1歳、年が離れているだけで驚いた記憶を思い出したのは、中学3年生の甥っ子が定時制高校の夜間部を受験することを聞いたからだった。夕方5時に登校して夜の9時に下校する。1日4時間授業なので卒業には4年かかるそうで、日中はバイトをする予定だとか、専攻する学科ではこんなことを学ぶ予定だとか話を聞いて「すごいね」「楽しそうだね」とか相槌を打ちながら、これまで世間知らずだったというか、大学に入学するまでずっと「同い年」しかいない世界で生きていたことに驚いた。っていうか、ちょっと恥ずかしくなった。本当世間知らずだわ。思い出したのはパックンの「幼稚園をダブった」エピソードで、「精神年齢がまだ間に合わない、この子は入学できないよと、親と先生判断してもう1年留年みたいなものしたんですよ。そのおかげで僕、わりといい大学に入れたし、わりといい人生歩めているんです。入学のタイミングも柔らかく考えてもいいと思うんです」という話を読み、なにも大学に関わらず、小学校や中学、高校だって1歳や2歳の違いはどうだっていいよねと思ったりした。

“エリート芸人”パックン まさかのダブりを告白「実はですね、僕、幼稚園…」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 

ちなみにその甥っ子は焼肉食べ放題が大好きだというので、昨日は昼に私と夫と甥っ子の三人で焼肉。私は出産前以来実に2年以上ぶりの焼肉だった。「食べ放題なんて元が取れるかな〜」とか「胃もたれして倒れないかな〜」とか「夕飯食べられるかな〜」とか怖気付いていた40代の夫と30代の私。最近ではハーゲンダッツも一度に一つ食べられない私は胃もたれに怯えすぎて腹6、7分目ほどで食べるのをやめてしまい、家に帰ってきてから「なんかお腹空いたな」と空腹を感じる始末。高校生の頃なんて友達同士で焼肉食べ放題に行ったらエンドレスで豚トロ食べ続けていたのにね。先のことなど考えずに躊躇わないのが若さなのかも知れない。

 

なんだか一気に季節は秋。秋になると、私は妊娠中のことを思い出す。つらすぎたつわりの期間を越えて、最も失業中をエンジョイしたのが2020年の秋だったような気がする。当時フリーランスを名乗って多少は仕事をしていたけれど実質無職みたいなものだった。暇を潰すように料理をして、暇を潰すようにテレビを観て、暇を潰すように毎日決まった時間に犬と近所の山へ出掛けてゆっくり散歩をした。「自由とは急いで何かをしなくても良いこと」とは誰かの言葉だったと思うけどまさにその通りで、自由を全身で感じながら、季節のうつろいを楽しみ、犬との濃密な時間を過ごしていた。今年も秋がやってきた。

 

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