日記

見たもの聞いたもの感じたこと思ったこと全部言葉にしたくなる最近はたぶん何かを書きたい強い衝動性(ADHD)に脳を支配されている。朝、窓越しに外を眺めていたらランドセルを担ぎ黄色い帽子を被った女の子が小学校とは反対の方向に向かって走っていた。夫は日も昇る前から県外スキーに出掛けており、そのため今日の保育園送り係は私。娘は普段よりも寝起きが良く、朝ごはんもしっかり食べてさあ出発というタイミングでなにやらお気に入りのくまのぬいぐるみをベビーカーに乗せている。「くまちゃんを連れていってあげよう」。そういうと娘は私の横にくっついて並んでベビーカーを押し始めた。結局、今日も遅刻だった。保育園に向かう途中、歩道にいくつか水たまりができていた。好奇心いっぱいの目で見つめる娘。「入ったら足、濡れちゃうよ」と伝えたものの、一つ目の水たまりに堂々と足を踏み入れる。水たまりはそこまで深くなかったようで靴の中まで濡れることはなかった。続いて二つ目の水たまり。これはちょっと深そう。「ここはやめておいたら?」という私の忠告を無視して水たまりのなかを歩くと、直後に顔をしかめて「なんかつめたい」と不快感をあらわにする。「そうだね、お靴のなかに水が入ったんだね」と言うと「ぬぎたい」と靴を脱ぎ、その後はベビーカーに乗って保育園まで送り届けた。「子どもは晴れた日も雨の日も、昼でも夜でも外に出て遊びたがる。雨が降っているときにベランダに出たがる子を「雨だからやめておこうよ」と止めたとき、「雨だからやめておこう」なんてなんの説得力もない言葉だと我ながら思った。雨に濡れて体を冷やして風邪をひいてほしくないとか、そもそも濡れたあとの着替えが面倒だとか、大人の都合でそれなりの理由はもちろんあるのだけど、それが子どもの遊びたい気持ちを止められる十分な理由にはならない」。以前、こんなことをブログに書いた(ジャンプの練習 - nov14b’s blog)。大きくなるに伴い学習したこと、避けるようになったこと。たとえばスニーカーでは水たまりに入らないとか、雨が降りそうだったら外で遊ばないとか。そういう自分の意識に刷り込まれていることを改めて見直す機会が子どもとの生活のなかで時折あって、私はその度にハッとさせられる。私は人生で一度も家賃を払ったことがない。一人暮らしをしていた大学生の頃は父親がお金を出してくれていたし、新卒で入社した会社は全国転勤のため社宅があり(一応、月々6、7000円ほどは天引きされていたような気もする)、結婚してからは夫のお父さんが買ってくれたマンションに暮らしている。昨年末、ツイッター(X)で芸術家の奈良美智が、自分は田舎の学歴のない両親のもとに生まれ、そこから芸大を目指し、大学在学中に仕送りを断ったというエピソードを投稿し「どんな地方からでも世界に出れる可能性はある、その可能性を自分は示したと思っている」と結んだことについて賛否両論があった。というか、炎上していた。多かったのは「苦労したようなことを書いているが十分恵まれている」とか「時代背景が違うので今の若者には当てはまらない」といった意見だった。一般的に見てじゅうぶん恵まれている人が苦労を語ったり田舎の貧乏を代表したりするものの言い方に違和感を覚える一方で(念のため書いておくと私は20代半ばまで奈良美智のけっこうなファンで個展を観に名古屋まで足を運んだこともあったし作品集やグッズもそれなりの数持っているが今回の一連のツイートには正直がっかりした)、そもそも、その人の苦労を誰かの苦労と比較する必要があるだろうか(余談だが経済的に「恵まれている」アーティストといえば、Chim↑Pom from Smappa!Groupのエリイちゃんこそそうだと思っていて、エリイちゃんの著書から滲み出るセレブならではの浮世離れした感じは逆に清々しいものを感じる)。私は自分は客観的に見たらお金に苦労したことがない人なのかもしれない。だけど、当時勉強に励んでいた英検の受験費用やそのためのテキスト、大学受験のための参考資料などを自分で稼いだアルバイト代で買ったり、そもそも受験するための費用がないので一校しか受験できなかったりしたことが当時の自分にとってはしんどかったし大変だったというのもなかったことにしたくないような気がする。似たような話で、例えば私が自分の発達障害について書けば「そんな私にも理解のある彼くん」と批判(?)されたり、このあいだ話題になっていた無職の人(説明が雑)が生きづらさについて書いたnoteを読んだのだが、「とはいえ慶應卒で彼女アリ」みたいなコメントにいいねがたくさんついていたりして、みんながみんな、お前の方が恵まれている、自分の方がもっとつらいということばかり言っているように感じた。世知辛い。苦労を比べあってこっちの方がもっと苦しいもっと大変だとか言わなくても済む社会にしていきたい。BOOKDAYとやまに出たい!